大動脈弁温存を目指して  東京慈恵会医科大学

取り替えることを勧められたあなたの大動脈弁
温存できるかもしれません。

我々は大動脈弁形成術に積極的に取り組んでいます。

- 東京慈恵会医科大学 心臓外科  國原 孝 -

新着情報

東京慈恵会医科大学 心臓外科 主任教授    國原孝

201861日より日本で最も伝統ある教室を引き継ぐことになりました。
都立小石川高校卒業後、北海道大学入学。恵迪寮の六年間で人間関係の大切さを学び、北海道の大自然を謳歌
しつつクロスカントリースキーの厳しい競技の世界も経験しました。
卒後は北海道大学循環器外科にて研修後、足かけ九年間ドイツ・ザールランド大学に勤務し、約
4600例の手術に参加、うち1900例で執刀する機会に恵まれました。なかでも本邦ではまだ普及していない大動脈弁形成術に数多く接したのは貴重な経験でした。201312月からは心臓血管研究所に在籍した約4年半に心大血管手術628例の在院死亡率0.3%を達成することができました。

このような良好な成績は、わたしの従来からのポリシーである「ぶれない医療」、木で言えば力強い幹を持つことのお陰だと信じています。ハイリスク症例を安全に手術し、なおかつその効果を長期的に持続させて生命予後を改善するのに必要なのは「創の小ささ」や「心臓を止めないでやり遂げる」のを競い合うのではなく、患者さんのための最適な方法を柔軟に選択する能力ではないでしょうか?ますます複雑化する病態に細やかに対応するテーラーメード医療が脚光を浴びているのと同様です。すなわちこれこそ「見栄えファースト」、「技術ファースト」、はたまた「外科医ファースト」ではなく、「患者ファースト」の姿勢だと信じています。本講座を主宰するにあたってもこの信条は揺らぐことはなく、本学の建学精神である「病気を診ずして病人を診よ」とも相通ずるものがあると思います。

力強い幹をさらに支えているのは地中に広大に張り巡らされた根ですが、根は外からは見えません。陰ながら良好な成績を支えてくれる多くの優秀でプロフェッショナリズムにあふれたスタッフと共に、病に悩む患者さんが以前と同じ機能と生活の質を回復できることを唯一の目標としてわれわれは常日頃診療に従事しています。ひとりでも多くの患者さんのお役に立てれば幸いです

20186吉日

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